更年期に入ると、多くの女性がめまいの症状を経験します。
この記事では、更年期におけるめまいの原因や特徴、そして対処法、さらにめまい改善に役立つ食材とレシピについて詳しく解説します。
更年期のめまいとは

更年期のめまいは、閉経前後の女性に現れる代表的な症状の一つです。
フワフワするような浮遊感や、グルグル回るような回転性のめまい、立ちくらみなど、さまざまなタイプがあります。
主な原因

1. ホルモンバランスの変化
更年期における最も大きな原因は、エストロゲン(女性ホルモン)の急激な減少です。
エストロゲンは自律神経の調整に深く関わっているため、その減少により自律神経が乱れ、めまいが引き起こされます。
2. 自律神経の乱れ
エストロゲンの減少により、自律神経のバランスが崩れることで、以下のような症状が現れます。
- 血圧の変動
- 血流の調節機能の低下
- 体温調節機能の異常
これらが複合的に作用し、めまいの原因となります。
3. 血圧の変動
更年期には血圧が不安定になりやすく、急激な血圧の上昇や下降がめまいを引き起こします。
特に立ち上がった時の立ちくらみ(起立性低血圧)が起こりやすくなります。
4. 睡眠障害による影響
更年期には睡眠の質が低下しやすく、不眠や中途覚醒が増えます。
睡眠不足は自律神経をさらに乱し、めまいを悪化させる要因となります。
5. ストレスや精神的要因
更年期はホルモンの変化だけでなく、家庭や仕事での環境変化も重なる時期です。
ストレスや不安、うつ状態などがめまいを引き起こしたり、悪化させたりすることがあります。
6. 耳の機能の変化
加齢に伴い、平衡感覚を司る内耳の機能も低下します。これもめまいの一因となります。
めまいのタイプ
回転性めまい
自分や周囲がグルグル回るように感じるめまいです。
メニエール病など内耳の疾患が原因の場合もあります。
浮動性めまい
フワフワと雲の上を歩いているような感覚や、体が揺れているように感じるめまいです。
自律神経の乱れによるものが多いです。
立ちくらみ
立ち上がった時に一瞬クラッとする症状で、脳への血流が一時的に不足することで起こります。
他の更年期症状との関連
めまいは単独で現れることもありますが、以下のような他の更年期症状と併発することが多いです。
- ほてり・のぼせ(ホットフラッシュ)
- 動悸
- 頭痛
- 倦怠感
- 肩こり
- イライラや不安感
更年期のめまいに良い食材
食事は更年期のめまい改善に重要な役割を果たします。
以下の栄養素と食材を意識的に取り入れましょう。
大豆製品(イソフラボン)
大豆に含まれるイソフラボンは、エストロゲンに似た働きをする植物性エストロゲンです。
ホルモンバランスを整える効果が期待できます。
おすすめ食材: 豆腐、納豆、豆乳、味噌、きな粉、油揚げ、枝豆
鉄分を含む食材
貧血はめまいを悪化させます。鉄分をしっかり補給しましょう。
おすすめ食材: レバー、赤身肉、カツオ、マグロ、あさり、ほうれん草、小松菜、ひじき
ビタミンB群
自律神経の働きを正常に保つために重要です。
特にビタミンB12は神経機能に不可欠です。
おすすめ食材: 豚肉、鶏肉、サバ、サンマ、卵、玄米、バナナ、アボカド
ビタミンE
血行を促進し、ホルモンバランスを整える働きがあります。
おすすめ食材: アーモンド、くるみ、かぼちゃ、アボカド、うなぎ、植物油
マグネシウム
神経の興奮を抑え、自律神経を安定させます。
おすすめ食材: 海藻類(わかめ、ひじき)、ナッツ類、バナナ、大豆製品、玄米
カルシウム
神経の伝達をスムーズにし、イライラを軽減します。
おすすめ食材: 牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、小松菜、ブロッコリー
オメガ3脂肪酸
血流改善と抗炎症作用があり、脳の健康をサポートします。
おすすめ食材: 青魚(サバ、イワシ、サンマ)、くるみ、亜麻仁油、えごま油
めまい改善レシピ
1. 豆腐とほうれん草の味噌汁

材料(2人分)
- 絹ごし豆腐 150g
- ほうれん草 1/2束
- だし汁 400ml
- 味噌 大さじ2
- わかめ(乾燥) 大さじ1
作り方
- ほうれん草は茹でて3cm幅に切る
- 豆腐は一口大に切る
- だし汁を温め、豆腐とわかめを加える
- 沸騰直前にほうれん草を加える
- 火を弱め、味噌を溶き入れる
栄養ポイント: イソフラボン、鉄分、マグネシウムを同時に摂取できます。
2. サバの味噌煮

材料(2人分)
- サバの切り身 2切れ
- 生姜 1片(薄切り)
- 水 150ml
- 味噌 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 砂糖 大さじ1
- 酒 大さじ2
作り方
- サバは熱湯をかけて臭みを取る
- 鍋に水、酒、みりん、砂糖、生姜を入れて煮立てる
- サバを加え、落とし蓋をして中火で10分煮る
- 味噌を溶き入れ、さらに5分煮る
栄養ポイント: オメガ3脂肪酸とビタミンB12が豊富で、血流改善に効果的です。
3. 納豆アボカドの和え物

材料(2人分)
- 納豆 2パック
- アボカド 1個
- きざみ海苔 適量
- しょうゆ 小さじ1
- わさび お好みで
作り方
- アボカドは一口大に切る
- 納豆をよく混ぜ、付属のタレを加える
- アボカドと納豆を和える
- しょうゆで味を調え、海苔をトッピング
栄養ポイント: イソフラボン、ビタミンE、マグネシウムが豊富です。
4. 小松菜と桜えびの炒め物

材料(2人分)
- 小松菜 1束
- 桜えび(乾燥) 大さじ2
- ごま油 大さじ1
- にんにく 1片(みじん切り)
- しょうゆ 小さじ1
- 塩 少々
作り方
- 小松菜は4cm幅に切る
- フライパンにごま油とにんにくを入れて香りを出す
- 桜えびを加えて軽く炒める
- 小松菜を加えてさっと炒める
- しょうゆと塩で味を調える
栄養ポイント: 鉄分、カルシウム、ビタミンが豊富です。
5. くるみとバナナのヨーグルトボウル

材料(1人分)
- プレーンヨーグルト 200g
- バナナ 1本
- くるみ 30g
- はちみつ 大さじ1
- きな粉 大さじ1
作り方
- バナナは輪切りにする
- くるみは粗く砕く
- ヨーグルトにバナナ、くるみをトッピング
- はちみつときな粉をかける
栄養ポイント: マグネシウム、カルシウム、ビタミンE、イソフラボンが摂れる朝食にぴったりのメニューです。
食事のポイント
1. 規則正しい食事時間
血糖値の急激な変動はめまいを引き起こすため、1日3食を決まった時間に摂りましょう。
2. 減塩を心がける
塩分の摂りすぎは血圧を上昇させ、めまいを悪化させることがあります。
3. カフェインやアルコールは控えめに
これらは自律神経を刺激し、めまいを誘発することがあります。
4. 水分をこまめに摂る
脱水はめまいの原因になります。1日1.5〜2リットルを目安に水分補給しましょう。
5. よく噛んで食べる
咀嚼は脳への血流を促進し、自律神経を整える効果があります。
対処法と予防

生活習慣の改善
- 規則正しい生活リズムを心がける
- 十分な睡眠を確保する(7〜8時間が目安)
- バランスの取れた食事を摂る
- 適度な運動を習慣化する(ウォーキングやヨガなど)
ストレス管理
- リラックスできる時間を作る
- 深呼吸や瞑想を取り入れる
- 趣味や楽しみを持つ
水分補給
脱水はめまいを悪化させるため、こまめな水分補給を心がけましょう。
急な動作を避ける
立ち上がる時はゆっくりと動き、急激な姿勢変化を避けることで立ちくらみを予防できます。
医療機関への相談
以下のような場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
- めまいが頻繁に起こる、または長時間続く
- めまいと共に激しい頭痛や吐き気がある
- 耳鳴りや難聴を伴う
- 日常生活に支障をきたしている
- 転倒の危険がある
婦人科や更年期外来、めまい外来などで適切な治療を受けることができます。ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬、自律神経調整薬などが処方されることがあります。
まとめ

更年期のめまいは、ホルモンバランスの変化による自律神経の乱れが主な原因です。
生活習慣の改善やストレス管理、そして適切な食事により症状を軽減できることも多くあります。
大豆製品、鉄分、ビタミンB群、マグネシウムなどを意識的に摂取し、バランスの良い食生活を心がけましょう。
症状が重い場合や日常生活に支障がある場合は、専門医に相談することが大切です。
一人で悩まず、この時期を乗り越えていきましょう。
少しずつゆっくりペースで薬膳を取り入れていきましょう。

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